チーム打撃力をパリーグ優勝チームで見てみよう
プロ野球のペナントレースで優勝するようなチームってどんなチームなのかなって思って調べてみました。
普段やってる統計手法を使ってみたいなっていうのもあったので、一石二鳥です(笑)
データは日本野球機構のものでパリーグ2016年から過去30年間のものを使ってみました。
元データが気になる方はここからどうぞ
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はじめに相関係数を見てみましょう。
数字だけ見てもよくわかりませんね(笑)
ざっくり安打と二塁打や打数と安打がかなり関係しているように見えます。
もっとわかりやすくバイプロットしてみましょう。
バイプロットはデータの中で、矢印の方向にあるデータほどその要素が高いです。
そして、矢印が直交している要素同士は関係があまりないと見ることもできます。つまり本塁打と安打や二塁打は関係が薄く、打点と得点はほとんど同じものであると考えられます。プロ野球のようなミスの少ない世界では、相手のエラーで点が入るなんてことはほとんど期待できないってことでしょうか。
もう一つ、盗塁と三塁打が近いのも意外かもしれません。三塁打は安打や二塁打に近い巧打力的な指標になるのかなと思っていました。
ただこのデータはチームのデータなので、そのまま個人の場合に当てはまるかはわかりませんが、、、
それでも一つの指標にはなりますよね。
バイプロットで見ると、パリーグ優勝チームはものすごく打力があるってわけではなさそうですが、実際に比べるには２位３位のチームのデータも比較に持ってきた方が良かったです。これは次回やるときに比べられたらなと思います。
今回はここからこれらのデータからどの指標がどんな意味を持っているのかを調べてみたいと思います。
先ほど出した相関係数行列を使ってクラスター解析してみましょう。するとこんな感じにクラスターができます。
この図は下から見ます。より下でつながっている要素同士は関係が深く、上でつながっている者同士は関係があまりないとみることができます。
そして、三つのグループに分けてみました。図の赤枠の部分ですね。野球をやっている人からすれば当たり前な結果かもしれませんが、大雑把に左からチームの得点力、巧打力、走力を表す指標になりそうです。
つまり、ホームランや打点が多いチームは得点力が高い。打数や安打、二塁打が多いチームは巧打力が高い。三塁打や盗塁が多いチームは走力が高い。といった風にこの結果から分析できます。
統計解析のすごいところは、この分析結果の意味が分かれば、野球を全く知らない人でもデータからあるチームがどんなチームなのかわかってしまうことです。経験の一般化のようなことかもしれませんね。
しかし、この結果だけ見ると、野球をやっている人からすれば安打や二塁打は得点と関係ないのかといった話になるかもしれません。
そこで、それぞれの要素が得点力、巧打力、走力にどのくらい関わっているのかを見るために、要因分析をやってみます。結果は次の図です。
上から得点力、巧打力、走力のグラフになっています。赤いグラフは正の関係、青いグラフは負の関係を表します。
これを見ると得点力には当たり前ですが得点、打点がかなり相関しており、それ以外を見ると本塁打、二塁打、安打の順に高いです。つまり、本塁打や二塁打が多いチームは得点力が高いという風に見ることができます。
しかし、巧打力のグラフを見ると分かるように、本塁打は巧打力に対しては負の相関関係を持っています。遠くへ飛ばすことと安打を打つことは別であるってことを表しているのかもしれませんね。
さらに走力のグラフを見れば、本塁打を打つ能力と走力はほとんど同時に持つことはできないと言ってもいいのかもしれません。
まとめ
今回は相関係数行列、バイプロットを使ってパリーグ優勝チームはどんなチームなのかを調べて、その後に、クラスター解析、要因分析を使って、得点力、巧打力、走力の指標を見るということをしてみました。
野球をプレイしている人からすれば当たり前のことでも、野球をやったことのないファンにもデータからチームや選手を見る楽しみができるといいなと思ってやってみました。
「あの選手は二塁打が多いから安打ばかりのあいつより良い」とか「あいつはあんまりヒット打たないけど打点多いから許す」みたいに野球を見るのも面白いと思います。
てことで野球ファンの方はデータも見て野球を楽しんでね！
最後までありがとうございました～(良ければシェアしてね！)
