③三振を取れる投手は良い投手なのか(一般化マンテル検定)
前回の続きです。
前回はセ・パリーグに分けて考えてみました。その結果、三振を取れる投手は防御率が低い傾向にあることが分かったと思います。
では、三振は取れれば取れるだけ良いのでしょうか。今回はその点について考えてみます。
結論
先に結論からいくと、奪三振率が高ければ高いほど、防御率が低い(3.00未満)投手が多いということが分かりました。つまり、投手は三振を取れれば取れるだけ良い投手だと言えます。
三振を取る能力(速い直球や良く曲がる変化球?)が高いことは防御率を下げる1つの要因になっているのは確かです。
(方法)一般化マンテル法による分析
一般化マンテル法に関してはこの資料をご覧ください。
まずはデータを見てみましょう。元データは前回と同じで、分け方を変えました。
データ元:
データは下のようになります。
奪三振率を5未満、5以上7未満、7以上10未満、10以上で分けたことで前回よりすこしだけ詳しくなったと思います。
スコアを割り当てていきます。今回は計算を簡単にするため、スコアは順に0、1、2、3 としました。(本当はウィルコクスン・スコアの方が良いかも)
このデータとスコアに対して一般化マンテル検定の推定値Xm^2を求めると、Xm^2=18.80となります。一般化マンテル検定の推定値は近似的に自由度1のカイ自乗分布に従うので、P-値は
P=Pr{Z≧√Xm^2}=Pr{Z≧4.33}<0.0001
となるので、奪三振率が高くなるにつれて防御率が低くなっていることが言えます。
終わりに
今回で、「三振を取れる投手は良い投手なのか」は終わりです。ほとんどわかりきっていたことかもしれませんが、三振が取れれば取れるほど、防御率が低い投手であることが多いようです。ダルビッシュ選手が三振にこだわる理由が分かる気がしました。
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今回使ったデータ元:
三振を取れる投手は良い投手なのか⓵:
三振を取れる投手は良い投手なのか②:
間違い・質問etcがあったら教えてください。お願いします。