三振が取れる投手は良い投手なのか
良い投手の定義は人それぞれですが、今回はとりあえずより点が取られない投手を良い投手と考えることにしましょう。
世の中には三振をたくさん取れる投手がいます。メジャーリーグで5714三振奪ったノーラン・ライアンは生涯勝率は0.526、生涯防御率は3.19となっています。
日本のプロ野球でもメジャーリーグでも最優秀防御率が3点台というのはほとんどありません。もし三振をたくさん取れる投手が良い投手であるなら、ノーラン・ライアンの防御率はもっと低くなったのではないでしょうか。
三振を取る能力とより少ない点数で抑える能力が関係しているのかということは気になるところだと思います。
これについて考えてみましょう。
オッズ比による関係の強さの推定
奪三振率(x)=総三振数×9÷投球イニング数
とします。
プロ野球データFreak(http://baseball-data.com/stats/hitter-ce/avg-1.html)の2016年日本プロ野球セリーグで10試合以上に登板した投手についてデータを用います。
まずは防御率が3以下、3以上で分け、奪三振率9以上、9未満で分けて集めたデータを2×2表にまとめてみました。
これによって防御率と奪三振率のオッズ比を考えることができるようになりました。
オッズ比を計算すると、
(オッズ比)=2.28>1
となることが分かります。
オッズ比は1に近いほど関係が弱く1から遠いほど関係が強い統計量です。いまオッズ比は2.28と1より大きいので防御率と奪三振率の関係性は強いのではないかと考えられます。
つまり、とりあえずは三振をたくさん取れる投手は防御率が低いという結果になりました。
しかし、今回のデータはセリーグのみを対象としています。もしかしたらパリーグも考えてみると結果が変わってしまうかもしれません。
次はセ・パリーグに分けて層別に考えてみます。
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間違いや質問etcがあったら教えてください。よろしくお願いします。
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